年刊 ペリメニも食べ物です。

だいたい年末のアドベントカレンダーでしか更新しないんだよな。

トークセッション形式のセミナーでファシリテーターをするときに考えていること

読んでわかること

はじめに

こんばんは。本記事はGMOペパボディレクター Advent Calendar 2023の12/5分です。

空いてるスペースにあとから入れさせてもらったんで実際の日付は12月後半だけど…まぁいいじゃないですか。

 

皆さんはじめまして。ペパボのEC事業部で制作代行とか補助金活用施策とかやっているshootです。

この記事では私が主にトークセッション形式のセミナーでファシリテーターをする際に考えていることについて書いていきたいと思います。

軽い気持ちで読んでいっていただけたら嬉しいです。

 

ファシリテーターってなにをしているの?

私が普段おこなっているトークセッション形式のセミナーは、当社サービスの利用者やパートナー企業からゲスト2名〜3名をお招きし、様々なエピソードを披露していただく中で、最終的に当社サービスの訴求を行うことを目的としています。

その中で私は「ファシリテーター(名目上は司会者)」として、会の進行を任されています。

いわゆる司会者とファシリテーターはほとんど同じものと思われるかもしれませんが、あえて役割を区別するなら、司会者は「発言に関与せず段取りに沿って進行する人」で、ファシリテーター「発言を引き出してまとめつつゴールまでもっていく人」といったところでしょうか。

司会者は基本的に台本通りに物事を進めます。登壇者は他におり、その発表前後に必要事項を視聴者に伝えることが目的であるため、自身の発言は視聴者に対してのみ向けられます。この場合、会自体の内容は登壇者に委ねられ、それに対して司会者は直接的に関わりません。

ではファシリテーターに求められていることがなにかというと、「よりテーマに沿った発言を引き出すこと」「それをまとめてゴールまでもっていくこと」です。

つまり、自身の発言は視聴者だけではなく、他の登壇者にも向けられる形となります。

トークセッションでは事前にある程度流れが決まっており、話題ごとに伝えたいテーマが設定されていますが、ファシリテーターはそのテーマにそって登壇者から話題を引き出しつつ、その内容をまとめて次のテーマにつなげていき、最終的にはそのトークセッションが目指しているゴールにしっかりとたどり着くように全体をコントロールしていきます。

 

ファシリテーターをするときに考えていること

前述の通り、ファシリテーターの主な役割は発言を引き出すこととそれをまとめてゴールにもっていくことです。難しいように見えるかもしれませんが、私がそこで意識しておこなっていること、以下の3つのみです。

  1. 話された内容を要約し、感想を述べる
  2. 今の話題を踏まえて不足があれば深掘りする
  3. 発言に対してリアクションしてから次の話題を振る

それぞれ一つずつ説明していきましょう。

 

1. 話された内容を要約する

要約といいつつも、実際はほとんど内容をかいつまんで復唱するだけです。これは、視聴者側に「この話題の趣旨、伝えたかったことはこれだよ〜」と提示することが目的です。

登壇者は話したいテーマについて無駄なく不足なく完璧に話せるわけではありません。同様に、視聴者も登壇者の話を100%理解できるわけではありません。

登壇者側はテーマに沿って話しているつもりでも脱線することはありますし、視聴者側はなんなら、今のトークの内容がどういう趣旨だったのか、話が終わった頃にはわからなくなっているかもしれません。これは別に残念な話とかではなく、むしろ至極当たり前のことです。

だからこそ、そこでファシリテーター「ここで登壇者が伝えたかったことはこういうことですよね」と定義してあげると、視聴者側はとりあえず「ああ、今の話はそういう内容だったんだな」と再確認ができます。

また、そうやって前のトークの内容を再確認すると、次のトークテーマへの橋渡しも容易になります。そのため、きれいな要約とまでは行かなくとも、トークの内容を振り返ることはとても大切なのです。

 

2. 今の話題を踏まえて不足があれば深掘りする

先に触れたように、トークセッションでは事前にある程度流れが決まっており、話題ごとに伝えたいテーマが設定されています。もちろん事前の打ち合わせで確認も行います。

しかし、トークの内容によっては、一番伝えたいことや具体的な数値、次のテーマに繋がる要素などが、一切触れられなかったりあっさりと流されてしまうことがあります。

そこで、ファシリテーターは登壇者の話した内容を振り返りながら、「〜とのことですが、〇〇についてはいかがでしたか?」などと、更にテーマに対して補強したい話題を引き出すためのパスを出します。

ここで意識することは、ファシリテーター自身がこのテーマで伝えたいことがなんだったかを、常に忘れないことです。基本的に登壇者側は聞かれたことについて話すことで精一杯だと考え、テーマに沿った要素を引き出すことはファシリテーターの役割だと考えましょう。

 

3. 発言に対してリアクションしてから次の話題を振る

ファシリテーターは進行役であると同時に、そのトークを最初に聞く視聴者でもあります。そこで、登壇者の発言に対しては、必ずなんらかのリアクションを取ることを意識します。

特にウェビナー形式の場合、登壇者側には視聴者の顔が全く見えません。そうなると自分の話した内容が聞いた人にどのように伝わっているのかも全くわかりませんし、なにかおかしなことを言ってしまっていないかなど不安な気持ちになるのも無理はありません。そうなると次に話すことにも自信がなくなり、トークは弾まなくなります。これでは伝えたいことも伝えられなくなってしまいますし、ギクシャクとした空気は視聴者にも伝わってしまいます。

ただ会を進行することが目的であれば、テーマに沿って話題を振り続けるだけでもいいかもしれません。しかし、前述した通りファシリテーターに求められることは「発言を引き出すこと」と「ゴールまでもっていくこと」です。つまり、ただ登壇者にトークさせるだけではなく、より良いものにしようと試みることが必要なのです。

必ず登壇者の発言にはリアクションをし、可能ならポジティブな感想も述べてから次の話題を投げかけましょう。

 

まとめ

ファシリテーターとは「発言を引き出してまとめつつゴールまでもっていく人」です。

  1. 話された内容を要約し、感想を述べる
  2. 今の話題を踏まえて不足があれば深掘りする
  3. 発言に対してリアクションしてから次の話題を振る

以上のようなことを意識して、トークセッションを盛り上げていきましょう!

 

とはいえ、実際私がファシリテーターをする際はアドリブで話さなければならない場面も多く、上手く要約できずに躓いたり、前のテーマと次のテーマのつなぎがぎこちなくなることもしばしばです。

それらを克服して少しずつでも上手く進行できるようになるには、なによりも喋る練習をすることと、とにかく場数を踏むことです。間違いなくやればやるだけ上達します。

また、自分の過去の登壇動画を振り返ることも拷問に等しい苦行ですが非常に有効です。過去の己を超えましょう。プルスウルトラです。

もしご覧頂いた方が今後トークセッションのファシリテーターを担う際の一助になれば幸いです。

ありがとうございました。

【令和6年最新版】コンサルティングセールスをやってみよう!(入門編)

読んでわかること

  • コンサルティングセールスがなにかざっくりわかる
  • カスタマーサポートや一般的なセールスとなにが違うかがわかる
  • 実際にどんな場面で使えるのかがわかる

はじめに

いきなりですが注意点です!

本ページに記載することは決して丁寧に体系化されたノウハウでもなければ、読めばすぐ使えるすごい知識でもありません!(また、本コラムで想定しているサービスの「ユーザー」は、ネットショップを運営している中小企業や個人事業主となります。予めご了承ください)

ではなにがわかるかというと、テーマであるコンサルティングセールス」がどんなものなのか、実際に行うときになにを気をつけているのか、実践するならどこから始めればいいのか、といった初歩の初歩的なことがほんのちょっぴりわかるかも、といったコラムです。

是非軽い気持ちで読んでいただき、軽い気持ちで実践していただければ幸いです。

それではどうぞ!

 

コンサルティングセールスってなに?

コンサルティングセールスとは、自身の専門知識を元に顧客の本質的な課題やニーズを明確にし、最適な提案をすることで販売に結びつける営業方法のことです。

要するに自分の知識を使ってお客さんが本当に欲しい物を提案してお金を使ってもらおう!というものです。

ゴールはもちろん自社サービスにお金を使ってもらうこと=売上を上げることであるため、分類としてはセールス(営業)になりますが、実際のところは着地点は様々で、最終的には「これお金使わないほうがいっすよ」という提案になることもしばしばです。

ですので、実は重要なのは顧客の本質的な課題やニーズを明確にすることの方だったりします。

よくわかりませんね。では実際にどんな感じか見ていきましょう。

 

コンサルティングセールスの実例と考え方

例えばユーザーから「広告を試したい」という問い合わせに対して電話でお話する場面です。

ユーザー「リターゲティング広告?っていうのを試したいので始め方を教えて下さい」

自分「あ、じゃあここから申し込んで下さい!マニュアルはこちらです!」

ユーザー「ありがとう〜〜😄」

これで一件落着……ではないのが難しいところですね。

ユーザーはなにを求めていたのか

上記の対応は決して悪くはありません。顧客からの質問に対しては正しい回答を行っています。

でもコンサルティングセールスの観点ですと大事なことが抜けています。本項は以下だけ覚えていただければ基本的にOKです。

それは「顧客が本当に望んでいるものはなにか=ユーザーの真の目的はなにか」と考える視点です。

人は理由なく行動することはほとんどなく、ユーザーが自発的に行動したからにはそのきっかけや理由が裏側にあるはずです。つまり、このユーザーの目的「広告を出すこと」ではなく、「(広告を出した結果)〇〇を達成すること」ということです。広告を出すことは目的ではなく手段なんですね。

例えば上記の問い合わせは1つ目の質問に、以下のように繋げるとユーザーの目的の一端を垣間見ることができます。

ユーザー「リターゲティング広告?っていうのを試したいんです。割ける予算が少ないので」

自分「承知しました。リターゲティング広告は一度ショップに来訪された顧客向けに配信する広告のため、ある程度アクセス人数があるショップにオススメの広告となっております。ショップの月間のアクセス人数などはご確認いただいたことはございますか?」

ユーザー「いや……見たことないですね。というかたぶん全然アクセスないと思います」

自分「かしこまりました。今回リターゲティング広告にご興味を持たれたのは、やはり広告経由で購入を促進されたいからでしょうか」

ユーザー「そうですね。開店したばかりなので」 

上の会話では、まずはリターゲティング広告について説明しています。これはリターゲティング広告がすべてのユーザーにマッチするものではない、という事前知識と、このショップが割ける予算が少ないと言っていることから『このユーザーには他に合うものがあるかも?』とある程度の当たりをつけた上で質問をし返しています

そして、その後の回答からやはりこのユーザーはアクセス数が足らず、リターゲティング広告は向いていなさそうなことが読み取れました。また、ショップは開店直後でこれから売上を伸ばしたいこともわかりました。

以上からこのユーザーの問い合わせの背景には

  • アクセス数を増やしたい
  • 予算がなくてもできることをしたい
  • 最終的にネットショップで売上を上げたい

といった目的が垣間見えます。

さて、この事実から自身の予備知識を用いてユーザーにマッチするものをいくつか提案してみます。

自分「開店したばかりでアクセス数が少ない状態ですと、リターゲティング広告は効果が出づらくなってしまいます。ですので、まずはショップへの集客から着手されるとよろしいかと思います」

ユーザー「そしたら集客に使えそうなものってなにがありますか?」

自分「集客に繋がるサービスとしては、リスティング広告がございます。弊社の場合、月額3万円の3ヶ月間からご利用いただけますが、もし他にもご予算を割かれたいものがあれば、まずは無料のSNSを活用した集客もおすすめです」

ユーザー「なるほど。それじゃあ最初はSNSで告知を行いつつ、リスティング広告も検討してみます」

自分「承知しました。ではまたお困りの際はお気軽にお問い合わせ下さい」

これにて一件落着です。結果的にこの問い合わせからセールスに直接は繋がりませんでしたね!

しかしリスティング広告について知ってもらうことができましたし、将来的にアクセス数が増えたらリターゲティング広告も再考してもらえるでしょう。なにより、ショップの成長自体がサービスの成長につながりますから、これはこれで成功と言えるでしょう。

もし時間があったりお客さまが熱心であれば、広告の特性(CV率や最適な場面)や他のユーザーがどんなSNSでなにをしているかを話したり、インスタグラム連携アプリの提案などもできると思います。あるいは「売上を上げたい」という観点ですと、デザインや商品情報の拡充、コンテンツ発信といった集客以外の部分で改善が見込める点をお話することもできると思います。

自身の知識が多ければ多いほど提案の選択肢は広がりますし、ユーザーのサービスに対する理解を深めてあげることができるでしょう。

 

コンサルティングセールスの流れと大切なこと

さて、前項では実際にどのように考えているかを流れを見ながらご理解いただけたと思います。

これを整理すると以下のような形になります。

  1. ユーザーが話した内容から情報を深堀りする
  2. 深堀りした内容を整理して共有し合う
  3. 整理した情報から事実を抽出して、ユーザーが本当に求めていることを導き出す
  4. これまでの知見を元にユーザーが本当に求めていることに対する解決策や、最適な商品を提案する
  5. ユーザー自身が提案を元に選択する

まず大切なことは、上記の1と2を繰り返し、情報を深堀りして共有し合うことです。

前述の通り、大前提として「顧客が本当に望んでいるものはなにか=ユーザーの真の目的はなにか」と常に考えると、はじめの質問だけでは圧倒的に情報が足りません。また、そもそもユーザー自身も目的が見えていない場合が多いです。ですから、はじめはユーザーの状況を聞き深め、整理してお互いに着地点を模索していきましょう。

 

そうして状況が整理できたら、そこから事実を抽出して目的=ゴールを導き出します。

実際ここまででようやくスタートラインに立てるわけですが、逆に言えばゴールさえわかればあとは走るだけです。自身の知識や、時には周囲にも助けを求めてユーザーがゴールにたどり着くための提案を行いましょう。

 

4番目については『これまでの知見を元に』の部分を自身の知識に限った場合、人によってかなり差が出てしまいます。そのため、日常的なインプットや過去事例から検索する力などが求められるため、これについては繰り返し経験して成長するしかありません。1対1でやり取りする場面では自分の知識量や応用力が常に試されます。

しかし、本来知見の収集については周りを頼っても何も問題はありません。

ようはユーザーに最適な提案ができればいいので、上記のように電話でお話しているのであれば一旦持ち帰って掛け直してもいいですし、メールであれば査読依頼してからでも全く遅くありません。そして、そうやって一つ一つ解決するたびに集めた知見が自分に蓄積されていくわけです。自分でわからないことは、どんどん周りに質問して最適解を模索していきましょう。

 

5番目は実はいちばん大事なことですが、我々はあくまで提案を行うだけで、選択はユーザー自身が行うように誘導しましょう。ようは売上を上げたいとかサービスを利用してもらいたいという気持ちが先行して押し付けるような形になってはいけない、ということなのですが、仮に利用することが100%ユーザーの為になるとしてもこの立場は崩さないようにしましょう。なぜなら万が一うまくいかなかったときに自分で選んだものであれば納得がいったとしても、選ばされたものであれば確実に遺恨が残るからです。(※この辺りの心理はいろいろ詳しく書かれた本もたくさんあると思うので、気になる方は調べてもらうと良さそうです)

 

以上の流れで、ユーザーに最適なサービスを選んで使ってもらえたら、あなたはもうコンサルティングセールスのプロだと名乗っていいでしょう!とりあえず私はそんな感じで名乗ってます。

 

さいごに

コンサルティングセールスは営業手法の一つではありますが、実際は目の前のお金を稼ぐこと以上に、ユーザーが将来的に成長、成功することが、結果としての会社の目標達成や、携わるサービスの成長につながることは間違いありません。

大切なことは、実は販売につなげることよりもその前の『顧客の真の目的を明確にし、これに対して最適な提案を行うこと』の方だと考えています。なぜなら、結果としてこれが達成できれば、販売につながらなくても顧客の成功に寄与できますし、顧客の目的と提供するサービスが合致したときには必ず販売にもつながり、それによってユーザーの課題も解決されるはずだからです。それだけを忘れずにいれば、きっと最終的なゴールを違えることはないでしょう。

 

このコラムをお読みいただくことで、みなさんがユーザーと接する際にユーザーの真の目的を探る一助となることを祈ります。

ありがとうございました。